空中をディスプレイに,バートンと慶応大学がレーザ照射による描画装置を開発(動画あり)
バートンは,レーザを照射して空中に文字や立体映像を表示できる装置を慶応大学 理工学部 助教授の内山太郎氏と共に開発し,試作品を披露した。試作品では装置の上空1mの高さに20ドット程度の文字や図形を表示できる。実際に円を表示したほか,「SOS」の文字をSから順に表示する実演を行った(図1,2)。このほか,今回は実演しなかったが,矢印を右から左に動かすことも可能である(動画はこちら:3.7MバイトのMPEG形式)。なお,動画は1コマ当たりの撮像時間が短いため,矢印の移動をきちんと撮影できていないが,人の目では「く」の字の形状をした矢印が右から左に移動するのが分かるという。
開発した装置は,固体レーザの1種であるNd(ネオジム)のYAGレーザ機で発振したレーザ光を光学レンズに通して絞り,空気中の窒素や酸素をプラズマ化して発光させる。発光点の位置は,YAGレーザ機から出たレーザ光をミラーで反射させて,そのミラーの角度を制御することで移動させる。試作品では1秒間当たり100回ほどレーザを発振するが,人が点として認識し続けるには0.2秒以内ごとに同じ位置にレーザを照射する必要がある。このため,今のところは約20ドットの文字や図形しか表示し続けることができないという。現在は1秒間に2000回ほど発振可能なレーザを開発しているメーカーがあるため,こうしたレーザを使えばさらに多くのドットで文字や図形を表示できるとしている。
バートンでは,2005年内にこの1mほどの高さで文字や図形を表示できる装置を企業広告などの商業用途で実用化する計画だ。将来的には10m角程度の空間に表示可能な装置を開発し,緊急信号や津波の警報などの情報提供や立体映像を表示する用途に展開していくという。
現在は青白色に限定されている表示色については,レーザの波長を変えたりことで数色の表示を実現できる可能性がある。ただし,通常のディスプレイのようにR,G,Bの3色や階調を表示できないことから,カラー映像を表示する用途には向かないという。
レーザを使うことの危険性については,試作品では1回当たりのレーザ照射時間が0.01秒と短く,約300mJしかエネルギーがないため,1回程度なら皮膚の表面にある水分が蒸発する程度で済むとしている。ただし,連続して照射されればやけどする可能性はあるもよう。














