大日本印刷,印刷技術で有機太陽電池を試作
大日本印刷は,印刷技術を使って作製した有機太陽電池を,2004年3月29日〜4月1日まで埼玉大学で開催中の「第52回応用物理学会関係連合講演会」で発表した。Xeランプの光を100mW/cm2で今回の有機太陽電池に照射したときに変換効率は3.4%。発電部分の面積は,0.04cm2。発生する電流密度は12mA/cm2,出力電圧は0.58Vである。ガラス基板上に透明電極のITO,正孔取り出し層のPEDOT,光電変換層,電子取り出し層,Au電極で構成する有機太陽電池の構造のうち,PEDOTや光電変換層などに使う有機材料をブレードという治具で塗布した。今回はガラス基板上に有機太陽電池構造を作製したが,プラスチック基板上にも同構造を作製可能という。
変換効率を高めるために,正孔取り出し層に使うPEDOTの導電率を高めたり,層を平坦化したりした。PEDOTを改良することで,変換効率は約4.4倍に向上したという。PEDOTに施した工夫の詳細については「現段階では公表できない」(大日本印刷の説明員)としている。
大日本印刷は変換効率を改善する手法として,2層の光電変換層を積み重ねる手段についても発表した。積層する光電変換層の詳細を同社は明かさないが,光を照射した際に吸収する波長が異なる有機材料を積み重ねたもよう。光電変換層を2層にすることで,前出のPEDOTの改良手段を使わずとも変換効率を約20%高めた。下層の光電変換層を作製後に別の光電変換層を積層する際に,下層の光電変換層が上層の光電変換層の溶媒で劣化しないようにしてある。あらかじめ下層の光電変換層を不溶化して上層の光電変換層を塗布する際に使う溶媒に溶けないようにした。PEDOTの改良と2層の光電変換層を組み合わせは可能で,同社は将来的に両技術を合わせた有機太陽電池を試作するとした。













