フォース・フィードバック技術を利用したコントローラなどを開発する米Immersion Corp.は,同社がソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)および米Sony Computer Entertainment of America,Inc.を特許侵害の疑いで提訴していた件で,米カリフォルニア州北部連邦地方裁判所がSCEらに9070万米ドルの支払いを命じたことを明らかにした(ニュース・リリース)。なお,この件については2004年9月に陪審団による特許侵害の認定が行われていた(Tech-On!の関連記事1)。

 この訴訟は,SCEの家庭用ゲーム機で利用されているコントローラなどが,Immersion社の2件の米国特許(「US6,275,213」および「US6,424,333」)を侵害しているとしてImmersion社が2002年2月に提訴していたもの。2004年9月には陪審団から「SCEによる特許侵害があった」との認定が行われており,SCEらが上訴していた。この際にはImmersion社の損害額は8200万米ドルと算出されていたが,今回その金額に,利子分となる870万米ドルを加えて9070万米ドルとなった。

 米カリフォルニア州北部連邦地方裁判所はSCEらに対して,プレイステーション本体,デュアル・ショック・コントローラ,そして47のゲーム・ソフトの製造販売および米国への輸入を差し止める命令を下した。ただし同裁判所は,SCEらが上訴することを見込んで,差し止め命令を一時的に停止している。

 Immersion社は,ユーザーの操作と,それに応じた力のフィードバックなどで多くの特許を保有しているという。2002年にはアルプス電気がImmersion社の「ハプティック技術」に関する特許など150件を超える特許についてライセンス契約を締結している(同関連記事2)。