IEEE802.11gによる通信が可能な小型液晶プロジェクタ
IEEE802.11gによる通信が可能な小型液晶プロジェクタ
[画像のクリックで拡大表示]

 松下電器産業は,無線LAN規格「IEEE802.11g」による54Mビット/秒の通信が可能なA4判サイズの小型液晶プロジェクタ「TH-LB30NT/TH-LB20NT」の2機種を2005年4月5日から順次発売する(図1)。同社従来品はこれまで11Mビット/秒の「IEEE802.11b」のみに対応していた。パソコンの性能や無線LANの環境に応じて画像データの伝送方式や圧縮率を自動的に切り替えたり,パソコンとプロジェクタで画像処理を分散させたりすることで,通信品質の安定化を図っているという。

 高速化に合わせて,静止画だけでなく,動画と音声の同時送信を可能にし,無線通信下で動画によるプレゼンテーションができるようにした。対応する動画ファイルは,Windowsパソコンに標準でインストールされている再生ソフトウエア「Windows Media Player」で再生可能なasfやwmv,avi,mpgなどの形式となる。ただし,デジタル・コンテンツの著作権管理システム(DRM)が設定されているコンテンツは送信できない。

 発売時期は,輝度2000lmの「TH-LB20NT」が2005年4月,輝度3000lmの高輝度タイプ「TH-LB30NT」が同年6月。高輝度タイプは,突起物を除く外形寸法が327mm×75mm×233mmで,質量が2.6kgと3000lmクラスのプロジェクタとしては最小,最軽量になるという。F値1.65と非常に明るい非球面のガラス・レンズを開発したことで,ユニットのレンズ数を従来の13枚~14枚から11枚に削減したことや,だ円形の反射板を採用することで,狭い光路でも平行な光を取り出せたことなどにより小型化できたとしている(図2)。

 このほかの特徴としては,部屋の照度に合わせて表示する画像の色合いを補正する「デイライトビュー」機能を搭載している。明るい場所で画面を投射した際には,淡い色が見えにくくなるため,照度センサを使って部屋の明るさを感知して,4段階~5段階で色を濃い色に補正して視認性を高めるという。松下電器が,400ルクスの環境下で測定した結果では映像表現力が1.5倍向上したという。デイライトビュー機能以外にも,最大で16台のパソコンの画面をスクリーンに16分割して投射できるほか,1台のパソコンでプロジェクタ8台に無線送信することができる。

図2 分解した液晶プロジェクタの投射部
図2 分解した液晶プロジェクタの投射部
[画像のクリックで拡大表示]