エルピーダメモリと広島エルピーダメモリは,広島エルピーダの敷地内に建設中の300mmウエハー対応新工場(以下,E300第2棟)における初の量産設備投資を決定した(発表資料)。エルピーダは,E300第2棟に最終的には6万枚/月(最大稼動時)の生産能力を持たせる計画で,今回は1万5000枚/月(内,1000枚/月は研究開発用)までの設備を発注した。発注金額は1000億円強。量産稼動開始は2005年12月を予定しており,2006年度第1四半期(2006年4~6月)中に1万5000枚/月の生産体制とする計画である。今後,DRAM市況や需要動向を見極めながら,段階的に6万枚/月まで増やしていくとしている。

 今回導入する量産設備の特徴は,「地球に優しい」ことだという。広島エルピーダでは,これまでも環境面への配慮から天然ガスを利用したコージェネレーション・システム(以下,CGS)を導入してきた。E300第2棟においても本設備を拡張し,半導体工場としては世界最大級のCGS設備の導入を計画している。これにより自家発電を行うとともに,発電時に発生する蒸気を活用することで,省エネルギー化を図るとともに,二酸化炭素(CO2)や窒素(N)化合物などの排出量削減を目指す。削減効果としては,商用電力を利用した場合に比べて20%強のCO2削減を見込んでいる。