ロンドン,ヒューストン,シンガポールに拠点を持つICIS-LOR社の世界DRAM価格調査によると,アジアのスポット市場における256MバイトDIMMの2005年2月25日までの30日間(1月27日~2月25日)移動平均価格は,PC2100が29.00米ドル,PC2700は48.75米ドルになった。同様に512MバイトDIMMは,PC2100が59.00米ドル,PC2700が61.70米ドル,PC3200が65.00米ドルだった。前週(2月18日までの30日間移動平均)と比べると,256MバイトDIMMのPC2100とPC2700,512MバイトのPC2100,PC2700,PC3200のすべてで変動がなかった。

 韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.や韓国Hynix Semiconductor Inc.などの大手韓国DRAMメーカーは,半導体生産ラインにおけるNAND型フラッシュEEPROMの生産能力の割り振りを増やし,DRAMよりもNAND型フラッシュの生産量を大きく引き上げる計画だ。NAND型フラッシュのビット換算需要が2005年通年で対前年比2.5倍になると見込んでいるからだ。

 計画通りに韓国メーカーのフラッシュEEPROM生産が拡大すれば,その影響で,世界のDRAM生産量の伸びが2005年後半に鈍化する可能性がある。現在はDRAM需要が最も下がる時期で,アジア以外の地域で価格の下落が止まらないが,2005年後半にパソコン需要が増えれば,米国の新学期需要が立ち上がる7月以降のDRAM需給は2004年と同様にタイトになるだろう。



表●DRAM代表品種の2005年2月25日までの30日間(1月27日~2月25日)移動平均価格(ICIS-LOR社調べ)
品種 地域 30日間移動
平均価格
(米ドル)
対前週比(注)
256MバイトDIMM
(PC2100)

北米

30.69

-3.36%

欧州

37.25

0.00%

アジア

29.00

0.00%

注)対前週比は2005年1月20日~2月18日の30日間移動平均価格との比。

地域別のDIMM価格の推移(~2005年2月25日,ICIS-LOR社調べ)