立体視メガネと風を受ける容器を使って「風インタフェース」を体験する来場者。カラフルな球は位置を特定するために付いている。
立体視メガネと風を受ける容器を使って「風インタフェース」を体験する来場者。カラフルな球は位置を特定するために付いている。
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 NTTは,2005年2月24日~25日にNTT横須賀研究開発センタで開催した「NTT R&Dフォーラム2005」で「風インタフェース」を展示した。仮想の物体にさわる感覚を,風圧を利用して実現した。実用化時期などは未定だが,娯楽施設での利用のほか幼児教育やリハビリなどに応用できるとした。

 風インタフェースの利用者は,立体視メガネをかけて3次元表示の仮想物体を見ながら,風を受ける容器を手に持って物体に触れる感覚を体験する。テーブルに5cmほどの間隔で縦横に10個ずつ,合計で100個のノズルが設置されており,風を受ける容器が近づくと特定のノズルから空気が出る仕組み。ワイヤやアームなどを利用して力を伝える方法に比べて,利用者に拘束感を与えない上,安全に力を感じさせることができるという。

 メガネと容器には,カメラで位置を検出するためのマーカーが付いている。容器の位置で風を出すノズルとタイミングを決め,メガネの位置で利用者の位置にあわせた3次元像を机に表示する。机の下に付いているノズルから風が上方向に噴出するので,上から仮想物体に触れる感覚を表現できるが,そのほかの方向から触れた感触は表現できない。しかし複数の体験者は,仮想物体の側面から触ろうとしていた。説明員は「今後,横方向から触った感覚を表現したり,ノズルの数を増やしたり,噴出する風の強さを可変にするなどの検討を進めたい」とした。

机の下にノズルが100個並んでいる
机の下にノズルが100個並んでいる
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