ボーダフォンとフェリカネットワークスは,携帯電話機への非接触ICカード「FeliCa」機能の実装で合意した。2005年10月をメドに,ボーダフォンはFeliCaのICを組み込んだ携帯電話機を発売する。フェリカネットワークスは2004年9月にKDDIとも同様の合意をしており,KDDIは2005年秋に向けてFeliCa対応の携帯電話機を開発中である。既に商用サービスを提供中のNTTドコモと併せ,国内の大手携帯電話機メーカー3社の非接触ICカード内蔵端末が出そろうことになる(PDF形式の発表資料)。

 フェリカネットワークスによると,ボーダフォンに提供するICチップやソフトウエアは,NTTドコモ向けやKDDI向けと同等のものになる予定。「ボーダフォンとICカードのサービス事業者との交渉次第だが,基本的にはNTTドコモのFeliCa対応の携帯電話機で提供しているサービスと同様のものをボーダフォンの携帯電話機でも実現できる」(フェリカネットワークス)。ボーダフォンも「当初は交通系,電子マネー,ポイント・カードなど既存のサービスを提供していくことになると思う。当社も他社に遅れを取らないように,ICカードへの対応を進めていく」との考えを示した。

 ボーダフォンは2004年5月に開催された展示会「ビジネスシヨウ TOKYO 2004」で,非接触ICカード機能を組み込んだ携帯電話機の試作品を展示していた(Tech-On! 関連記事)。この試作品ではFeliCaを採用していなかったが,今回の発表でFeliCaを採用することを明確にした。これについては「当時は,非接触ICカードに取り組んでいく方針は出していたものの,通信方式など具体的な点まで決定していたわけではなかった」(ボーダフォン)と説明している。