富士通は,2005年2月22日と翌23日の2日にわたって,FA機器などを手掛けるファナックと,計測器などを手掛けるアドバンテストの株式をそれぞれ売却した。22日はファナック株を985万株,アドバンテスト株を600万株,売却している。23日はファナック株を1300万株,アドバンテスト株を400万株,売却した。ファナック株の売却総額は約1562億円,アドバンテスト株の売却総額は約889億円である。この売却により,ファナックの議決権に対する富士通の割合は売却前の18.64%から8.76%へ,アドバンテストの議決権に対しては20.45%から10.93%へそれぞれ低下している。



 同社は,今回の売却について,財務基盤の強化を目的としたものと説明している。株価変動リスクを回避する,株式売却で得たキャッシュを有利子負債の返済などに充てるなどして,財務体質の改善を図るという。今回の株式売却が富士通の連結業績に与える影響は,特別利益で1289億円,当期純利益で730億円となる見込み。ただし,現時点では,業績予想の修正をしないとしている。理由は,年度末に向けて繰延税金資産の残高の見直しを予定しているためである。