名称は「wipoq」。実演では左にあるBluetooth対応携帯電話機と接続して利用していた。
名称は「wipoq」。実演では左にあるBluetooth対応携帯電話機と接続して利用していた。
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カバーにもこだわる予定。こちらはモックアップである。
カバーにもこだわる予定。こちらはモックアップである。
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BlackBerryと比較。液晶パネルの大きさはほぼ同等。
BlackBerryと比較。液晶パネルの大きさはほぼ同等。
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 三洋電機は,名刺サイズの携帯型情報端末を試作,「3GSM World Congress 2005」に出展した。名称は「wipoq」。Bluetoothを使って携帯電話機と接続し,外部ネットワーク経由で電子メールやWAPブラウザを利用できる。携帯電話機を外部ネットワークへのゲートウエイに使うコンセプトの機種である。携帯電話機の通信機能を持たずに済むことから,低価格化を実現できると見込む。

 まずは,Bluetooth対応携帯電話機の機種数が多い欧州地域での販売を目指す。「高級感のある外装にして,ファッショナブルな端末として売っていきたい。ターゲットは欧州の30代女性。そのため外装デザインは,欧州向け携帯電話機の経験があるデザイナに依頼した。既に欧州の複数の通信事業者から,非常に強い引き合いを受けている。欧州では携帯電話機を使ったメッセージング・ビジネスがいよいよ立ち上がろうとしており,こうした端末に注目が集まっているようだ」(三洋電機の担当者)。

 同社は3年ほど前から,携帯電話機をゲートウエイとする名刺サイズの携帯機器のコンセプトを提唱し,欧州の展示会などで試作機の展示を行っていた。これまではモックアップが中心だったが,今回の試作品は動作品であり,最終製品に近いという。同社は今回の試作機に加え,デジタル・カメラや音楽プレーヤなど,同様に名刺サイズでBluetooth機能を備えるコンセプトの機種をシリーズ化していきたいという。

 今回見せたモデルでは,2.8インチでQVGAの表示能力を持つ液晶パネルを備える。「この2.8インチというのがポイントだ。名刺大というコンセプトから考えると,3インチでは大き過ぎ,2.5インチでは十分でない。2.8インチの液晶パネルは多くないが,どうしてもこのサイズにはこだわりたかった」(三洋電機の担当者)。

 筐体の寸法は91mm×59mm×15.5mmで,重さが113g。無線接続用の通信ミドルウエアには,米IXI Mobile社の製品を利用する。680mAhのLiイオン2次電池を搭載し,連続待ちうけ時間(Bluetoothオンの状態)1週間を目標とする。現在の試作機ではそこまで長くは持たないが,発売時にはソフトウエアの最適化などにより,実現可能と見ているようだ。