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事業化に動き出すグリッド・コンピューティング,NTTデータが試行サービスを開始

2005/02/16 23:06
宇野 麻由子=日経エレクトロニクス
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 NTTデータは,インターネットにつながった無数のパソコンの能力を活用して大規模な科学技術計算などを実行する,グリッド・コンピューティングの試行サービス「cell computing Birth」を開始する。当初は大学などに無償でサービスを提供し,顧客が見つかり次第,有償サービスに移行したいという。同社は「インターネットを使ったグリッド・コンピューティングは,大学などの研究で使われているが,まだ事業化された例はない」として,世界初の事業化を目指す。

 サービスの最初の提供先は2つある。1つは慶應義塾大学医学部の清水信義教授による「ゲノムスーパーパワーを見つけよう!/自然免疫系遺伝子領域解明プロジェクト」で,抗菌性のタンパク質の制御をする遺伝子配列を見つけるもの。もう1つは東亞合成の「ゲノムのパズルを解こう!/ヒトゲノム染色体間法則性解明プロジェクト」で,人間の24本の染色体を1本につなげたときの法則性の発見を目指す。それぞれのプロジェクトに対して,計算資源を提供してくれる参加者を募り,計算処理に使うソフトウエアをダウンロードしてもらう。インターネットを介して処理するデータを参加者のパソコンに送り,パソコンの計算能力が空いている時に処理し,インターネットを経由して結果を同社に集める。

 NTTデータは,2つのプロジェクトを合わせて2ヵ月後に1万〜2万台のパソコンを集めたいとしている。計算能力がどの程度になるかは未知数という。目安としてNTTデータが2002年に行った実証実験を挙げた。この実証実験では,特別に宣伝することなく約4ヵ月間で1万2000台のパソコンを集めた。最大処理速度は約3TFLOPSだったという。

 有償サービスの料金や開始時期などは未定。将来は,パソコンを提供する参加者にNTTデータが顧客から得る収入の一部を還元したいという。現時点では,計算処理量に応じて,参加者に疑似通貨として使えるポイントを提供する仕組みにした。このポイントは同社のWWWサイト上のゲームなどで利用できる。

 NTTデータは,有償サービスを利用する顧客として,CGを多用する映画やゲームの制作会社,自動車メーカーなどを想定している。計算処理中のパソコンの画面に,その計算結果を利用する製品の広告を表示するなどして,参加者に「自分も製品作りに係わった」という意識を持たせる効果も狙えるという。

計算処理中のパソコンの画面に表示する画像
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