フィンランドNokia Corp.は,2004年第4四半期(2004年10~12月)の業績を発表した(発表資料)。売上高は対前年同期比3%増の90億6300万ユーロだった。営業利益は同19%減の13億5700万ユーロ,純利益は同13%減の10億1900万ユーロと落ち込んだ。2004年通期(2004年1~12月)では,売上高は対前年比1%減の292億6700万ユーロ,営業利益は同14%減の43億3000万ユーロ,純利益は同11%減の32億700万ユーロで,減収減益となった。

 携帯電話機事業の大幅減益が,同社全体の2ケタ台の減益につながった。2004年通期における携帯電話機事業の売上高は対前年比12%減の185億700万ユーロ,営業利益は同36%減の10億6000万ユーロだった。販売台数は同16%増の2億770万台で,同社の年間販売台数として過去最多という。ただし,市場シェアは前年の38%強から縮小し,32%にとどまった。

 同社のChairman and CEOであるJorma Ollila氏は,「ラテン・アメリカやロシア,インド,中国などでカラー液晶パネルやカメラを搭載した機種の需要が高まり,これらの市場で売り上げを伸ばすことができた。一方で,米国向けの出荷は予想を下回った」と2004年の携帯電話機事業を振り返る。減収減益となった背景については,「製品価格の下落傾向とドル安の影響」と説明した。

 2005年第1四半期(2005年1~3月)の業績については,売上高が70~73億ユーロの間になると予測している。前年同期は66億ユーロを計上していたため,増収の見通しである。ただし,リストラ費用などで6000~8000万ユーロの損失を計上する予定で,1株当たり利益は前年同期の0.17ユーロに対して減益の0.12~0.15ユーロの間を予測している。