次世代無線LANの規格「IEEE802.11n」の標準化作業において,米QUALCOMM Inc.が「TGn Sync」グループに参加することになった(発表資料)。同社は,これまで単独で自社方式を推進してきたが,「TGn Sync規格と補完できる」との判断で,同グループに合流することにした。

 複数のアンテナを使った空間多重技術であるMIMO(multiple input multiple output)を基に検討が進んでいるIEEE802.11nの標準化作業では,TGn Syncと「WWiSE」と呼ぶグループが2大勢力を形成していた。

 TGn Syncには,松下電器産業やフィンランドNokia Corp.,オランダRoyal Philips Electronics N.V.,韓国Samsung Electronics Co. Ltd.,三洋電機,シャープ,ソニー,東芝といった大手家電メーカー,携帯電話機メーカーが参加している。このほか,無線LAN向けLSIを開発する米Agere Systems Inc.や米Atheros Communications Inc.,米Marvell Semiconductor, Inc.や米Cisco Systems, Inc.やNortel Networks Corp.なども名を連ねている。

 一方WWiSEには,MIMOによる高速無線LAN用チップセットをいち早く製品化した米Airgo Networks, Inc.のほか,米Broadcom Corp.,メルコ(米Buffalo Technology,Inc.),米Conexant Systems, Inc.,伊仏合弁STMicroelectronics社,米Texas Instruments Inc.などが参加している。

 この2グループとQUALCOMM社,そして三菱電機とMotorola,Inc.によるアライアンスの合計4グループが総合提案をしていた。