ソニーの青木氏
ソニーの青木氏
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 ソニー 業務執行役員 専務の青木昭明氏は,2005年1月4日に米ラスベガスで開催中の「 CCNC (Consumer Communications & Networking Conference) 2005」において,民生機器の技術開発トレンドに関する基調講演を行った。なかでは,「ブロードバンドのインフラと,デジタル家電技術の進化が,新たな機器とライフ・スタイルを生み出す」とし,技術の融合が今後も進んでいくという見方を示した。

 講演ではソニーの製品を例に挙げながら,新しい機器の登場が新しいライフ・スタイルを生む可能性について指摘した。「昨年25周年を迎えたソニーのWALKMANは,いつでもどこでも音楽を聴くという新しいライフ・スタイルを生んだ。そしてAV技術とIT技術を融合させたVAIOやプレイステーションも,新たなライフ・スタイルと市場を創出した」(青木氏)。その上で,今後はブロードバンドのインフラとデジタル家電技術を組み合わせた新しい機器が登場するとした。「既にブロードバンドのインフラは整いつつある。デジタル家電機器のブロードバンド対応も始まった。この2つの要素が組み合わさる分野で,新しいデジタル家電機器が登場するだろう。いわば『ブロードバンド・コンバージェンス』である。今後は,このブロードバンド・コンバージェンスを実現するための要素技術開発に注力していく」(青木氏)。

 ブロードバンド・コンバージェンスの要素技術として青木氏は「ユビキタス・コネクティビティ,オープンな標準,互換性や相互接続性,使い勝手の容易さ,著作権管理などのDRM,FeliCaなどによるe-payment,プライバシ保護,セキュリティ」といったキーワードを挙げた。物理層の技術からアプリケーション層の技術まで,要素技術は多岐に渡ると言う。なかでも期待するコネクティビティ技術の例としてUWBチップセットとFeliCaを挙げていた。

ブロードバンドのインフラに対応する家電機器の登場に期待するという
ブロードバンドのインフラに対応する家電機器の登場に期待するという
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