ソニーは,同社が開発中のUWBチップセットについて,2005年1月3日から米ラスベガスで開催中の「 CCNC (Consumer Communications & Networking Conference) 2005」で明らかにした。業務執行役員 専務の青木昭明氏が,CCNCの基調講演で言及したもの。

 ソニーは既に,2005年2月に開催予定の国際学会「ISSCC」で,UWB用RFトランシーバICを発表することを明らかにしているが,今回の講演ではそれに加えて,MAC制御用LSIやネットワーク制御用LSIなども用意しているとした。家電機器でUWBの無線技術を利用するためのすべての基幹部品を手掛ける考えだ。「UWBのチップセットは3チップで構成する。3チップともCMOSで作る。ファームウエアやアンテナも用意する。特徴はメッシュ・ネットワーク技術を組み込んだこと。家庭内ネットワークでは様々な機器がアドオンされる。その際に,いちいちユーザーがネットワークを構成するのは難しい。入ってきた端末を自動的に認識するアドホック技術と,中央の制御無しにネットワークを構成できるメッシュ・ネットワーク技術が家庭でも必須になるだろう」(青木氏)。最大データ伝送速度は466Mビット/秒に達すると言う。

基調講演のプレゼン資料。ISSCCで発表予定のRFトランシーバICだけでなく,MAC制御用LSIなどのデジタルLSIとセットで提供する予定と言う
基調講演のプレゼン資料。ISSCCで発表予定のRFトランシーバICだけでなく,MAC制御用LSIなどのデジタルLSIとセットで提供する予定と言う
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