試作したデバイス
試作したデバイス
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 ソニーは,センサ・ネットワークでの利用に向けた無線デバイスを試作,2005年1月3日から米ラスベガスで開催中の「CCNC(Consumer Communications & Networking Conference) 2005」において発表した(ホームページ)。センサ・ネットワークの研究開発のために,欧州の研究所で試作したもの。消費電力の低減を狙い,新たなメディア・アクセス制御(MAC)プロトコルなどを独自に開発して実装した。家庭内ネットワーク,携帯機器間ネットワークなどへの適用を想定する。

 センサ・ネットワーク端末は,電池を使って長時間の駆動を実現するため,無線送受信回路の低消費電力化が求められる。今回の発表では,消費電力の低減に向け,センサ端末のデバイス・クラスを細かく分ける手法について提案した。ネットワーク全体のタイミング調整などの機能を備えた高機能端末と,電波を受信した時のみ駆動してデータの送信のみ行う低機能端末などで構成する。このうち電波を受信した時のみ駆動する端末は,電池を不要にできるという。高機能端末が不在の際にもネットワークを構成できるように,送信回路のみ搭載した中間的な機能の端末も用意する。この端末をメッシュ型のトポロジで接続すれば,高機能端末が不在でもネットワークを構成できるという。

 試作したのは,2.45GHz帯の送信回路を備えるタイプの端末。スター型,およびメッシュ型の両方のトポロジに対応する。最大約5mのデータ伝送が可能。最大データ伝送速度は100kビット/秒。受信時の平均消費電力は12μA。駆動源として,大容量キャパシタを利用している。キャパシタの容量は明らかにしていない。