米TiVo Inc.はHDDレコーダに録画したコンテンツをノート・パソコンで再生することを可能にしたサービス「TiVoToGo」を開始することを発表した(発表資料)。同社はこうしたサービスを提供する予定であることを2004年のInternational CESで発表している。再生に利用できる端末として明らかにしているのは現在のところノート・パソコンだけだが,TiVo社によるとCESでTiVoToGoサービスに関連するこの他の製品や技術を公開する予定という。既に米Advanced Micro Devices, Inc.(AMD社)は携帯型ビデオ・プレーヤー向けマイクロコントローラ「Alchemy Au1200」がTiVoToGoに対応するという発表を行っている。

 TiVoToGoはTiVoの「Series2」と呼ぶHDDレコーダ向けに無料のアップグレードとして提供する。必要なソフトウエアを自動的にダウンロードする仕組みを採る。このほかユーザーはWindows XPまたはWindows 2000に対応したソフトウエア「TiVo Desktop」をインストールする必要がある。米Sonic Solutions社が2005年1月中旬に出荷予定のソフトウエア「Sonic MyDVD」の新バージョンを利用することで,パソコンに転送したコンテンツをDVDにコピーすることも可能になる。

 映画業界団体米Motion Pictures Association of America(MPAA)は,TiVoToGoはビデオ・コンテンツの違法コピーの可能性を持つと主張して米FCC(連邦通信委員会)に対して認可に反対する申し入れを行った経緯がある。結果的にFCCはTiVoToGoの製品化を認めた(NE ONLINE関連記事)。

 2004年のCESで開かれた記者発表会で,TiVo社はTiVoToGoのために専用の半導体を搭載したUSBポートに挿入して使うキーを見せた。ノート・パソコンでTiVoToGoのコンテンツを再生するためには,このキーをUSBポートに差し込まなければならないようにするというものだった。ところが今回発表されたTiVoToGoでは,コンテンツを暗号化するものの,結局USBキーは不要にしている。TiVoのHDDレコーダに付いている10ケタの「Media Access Key」を再生する際のパスワードとして扱うらしい。
(Phil Keys=シリコンバレー支局)