米Intel社が主催する開発者会議「Intel Developer Forum(IDF) Spring 2004」がサンフランシスコMoscone Center Westで現地時間2004年2月17日から始まる。この中でIntelは,同社のSiフォトニクスおよびSiナノテクノロジーに関する研究開発状況を明らかにする予定。同社のカーボンナノチューブなどに対する取り組みも初めて明らかになる。

 IDFは,Intel製半導体を使ってコンピュータを開発する技術者向けフォーラムとして,年2回開催している。最近は,Intel R&D Sessionとして同社の研究開発状況も明らかにしてきた。今回のIDF Spring 2004では,2月18日にSiフォトニクスとして「Siliconizing Photocins: Reseach Goals, Overview, and Preliminary Results」セッションを,Siナノテクノロジーとして「Silicon Nanotechnology」セッションを開催する。

 Siフォトニクスに関しては,IntelがIDF Spring 2004開催前日の2004年2月16日に開催した記者説明会で同社Corporate Technology Group, Photonics Research Lab, DirectornoのMario Paniccia氏(写真1)がその概要を明らかにした。

 同社は,赤外線レーザーを使ってマイクロプロセサを動作テストする技術を確立しており,Siデバイス中の赤外線と電子に関するサイエンスを熟知しており,その技術をベースにSiフォトニクスに関するデバイス開発に取り組んでいるという。記者説明会では,Siフォトニクス技術を使った位相シフト方式の光モジュレーターが,1GHzで動作したことをデモンストレーションした(写真2)。IDFのセッションでは,SiGeを使ったフォトディテクターについても明らかにし,光ファイバを直接接続できるSiベースの光送受信機を1チップ化する構想(写真3)の具体的な技術を論じる。

 Siナノテクノロジーに関しては,まず,既存のSi半導体製造技術を微細化していくための,low-k,金属ゲート,ひずみSi,3ゲート構造などを紹介する。そして,カーボンナノチューブ,Siナノワイヤー,分子・量子コンピューティングに関する研究開発状況についても発表する。さらに,ナノテクノロジーに関する環境・健康問題関する研究も紹介する。(神保 進一=サンフランシスコ発)

【写真1】Intel, Photonics Research Lab, DirectorのMario Paniccia氏
【写真1】Intel, Photonics Research Lab, DirectorのMario Paniccia氏

【写真2】Siフォトニクス技術を使った光モジュレーターが1GHzで動作した
【写真2】Siフォトニクス技術を使った光モジュレーターが1GHzで動作した

【写真3】IntelのSiフォトニクス技術を使って光送受信機を1チップ化する構想(出典:Intel)
【写真3】IntelのSiフォトニクス技術を使って光送受信機を1チップ化する構想(出典:Intel)