ソニーの置かれている状況を鑑みると,今回のインターナショナル ディスプレイ テクノロジー(IDTech)の買収自体は,ソニーの長期的な経営戦略に適合した合理的な行為と判断できる。ポイントは,今回の買収の主体がエスティ・エルシーディ(ST-LCD)ではなくソニー本体である点である。買収後,新会社にはST-LCDも20%程度の出資を行うことをソニーは明らかにしているが,これはST-LCDの合弁相手の豊田自動織機も今回の買収に賛同していることを示す象徴的な意味合いが強いと考える。ST-LCDはこれまで赤字続きであったため買収資金を持っていなかったことも,ソニー本体が買収主体となった一因と考えられる。しかし,それよりも,ソニーはエンジニアの再配置などを含め,同社が自由にコントロールできる形を望んでいたためと考えるのが自然であろう。ソニーは今回の買収を通じて,中小型パネル事業への本格的なコミットメントを行っただけではなく,大型パネルについても自社の技術力強化に乗り出したとの解釈が可能である。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

日経クロステック登録会員になると…

新着が分かるメールマガジンが届く
キーワード登録、連載フォローが便利

さらに、有料会員に申し込むとすべての記事が読み放題に!
有料会員と登録会員の違い


日経クロステックからのお薦め

日経BP総研の問い合わせフォーム

企業価値を高めたいとお悩みなら

日経BP 総合研究所がお話を承ります。ESG/SDGs対応から調査、情報開示まで、お気軽にお問い合わせください。

ブランド強化、認知度向上、エンゲージメント強化、社内啓蒙、新規事業創出…。各種の戦略・施策立案をご支援します。詳細は下のリンクから。

日経BP総研の問い合わせフォームへ行く

日経BPで働きませんか

日経BPで働きませんか

「デジタル&ソリューション」をキーワードに、多様な事業を展開しています。

日経BPは、デジタル部門や編集職、営業職・販売職でキャリア採用を実施しています。デジタル部門では、データ活用、Webシステムの開発・運用、決済システムのエンジニアを募集中。詳細は下のリンクからご覧下さい。

Webシステムの開発・運用(医療事業分野)

システム開発エンジニア(自社データを活用した事業・DX推進)

システム開発エンジニア(契約管理・課金決済システム/ECサイト)