J.D. Powerが実施した「2015年米国自動車初期品質調査(IQS)」で、日系ブランドの初期品質の平均スコアが初めて業界平均を下回った。その背景にあるのは、品質に対する概念が大きく変わっていることである。「壊れない」のは当たり前で、オーディオやナビの「使いやすさ」によって品質が評価される時代になった。(本誌)

写真提供:トヨタ自動車、Audi社、Hyundai Motor社

 米国の調査会社であるJ.D. Powerは「2015年米国自動車初期品質調査(IQS)」を発表した。29年間続けている調査だが、日系ブランドの初期品質の平均スコアが初めて業界平均を下回った。日系ブランドも改善を続けているが、他国のブランドの改善速度の方が上回っている(図1)。

図1 2015年の米国初期品質調査(IQS)
韓国のKiaとHyundaiブランドが2位と4位に入った。(出典:J.D. Powerの2015年IQS)
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 調査は年に1度、車両を購入した後90日間の新車の品質を調べるものである。初期品質は、100台当たりの不具合指摘件数(PP100)として算出する。数値が小さいほど不具合の指摘が少なく、品質が良いことを示す。