韓国Samsung Advanced Institute of Technology(SAIT)と、韓国Sungkyunkwan Universityなどは、、負極に独自の材料を用いたリチウム(Li)イオン2次電池を開発した1)。セルの体積エネルギー密度は、従来型のLiイオン2次電池に対して1.5~1.8倍で、充放電サイクル寿命も比較的長い見通し。次世代Liイオン2次電池の有力候補技術になりそうだ。

200回のサイクル後も1.5倍

 今回の開発のポイントは、負極材料に直径が80nm程度のSi粒子とグラフェンを用いたことにある。この材料の理論的な容量密度は2500mAh/cm3で、負極材料として一般的な黒鉛の550mAh/cm3の4倍超と大きい。

 電極に新材料を用いた開発例の多くは、電極の性能評価だけで終わっている。SAITはセルを実際に作製して電池としての性能を確認した。