2015年4月4日~6月3日に、福岡県の人工島「福岡アイランドシティ」で「再生可能エネルギーを利用した地域モビリティの実証事業」が実施された。太陽光と風力による再エネ100%の電気で電動アシスト自転車の蓄電池を充電し、地域住民の間で共同利用(シェアリング)する試みだ。

 島の中央にある分譲マンション販売施設の駐車場に、再エネの電力を充電しておく「RecoPort(再生可能エネルギーポート)」と、この電力を使って電動アシスト自転車を充電する「VeloPort(自転車駐輪用ポート)」を設置した(図1)。それぞれに車輪があり、トレーラーなどで牽引して移動できる構造になっている。

図1 システム構成図
RecoPortとVeloPortの2種類の車輪付き筐体を利用する。(図:川重商事の資料を基に作成)
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 このうち「再生可能エネルギーポート」は、化合物系CIS型太陽光パネル(660W)と小型風力発電システム(300W)、鉛(Pb)蓄電池(20kWh)、パワーコンディショナー(PCS)などを搭載している。もう1つの「自転車駐輪用ポート」には、同型の太陽光パネル(1320W)と、シェアリングに必要な自転車の貸出機を搭載している(図2)。ここで発電した電力は、再エネポートの蓄電池に蓄える。

図2 駐車場で実証実験
島の中央にある「アイランドシティ中央公園」に面した分譲マンション販売施設の駐車場にRecoPortとVeloPortを設置した。
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