不揮発性の新型メモリーはそれぞれ普及に向けた壁を乗り越えなければならない。開発メーカーが急増するSTT-MRAMは、DRAM代替を進めるには大容量化という最後の関門がある。ReRAMの最大の課題は市場の立ち上げ。NANDフラッシュメモリーとの直接対決を避ける戦略が成功のカギを握りそうだ。
STT-MRAMやReRAMといった新型不揮発性メモリーは、各種のコンピューターシステムを大きく変える潜在力を備えている。そのインパクトは大きく2つ。(1)電源を入れた瞬間に起動し、いつでも電源をオフにできる、(2)消費電力が大きく減るの2点である。
既にSSDには不揮発性のNANDフラッシュメモリーが用いられているが、ストレージだけが不揮発でも(1)の効果は薄く、(2)もHDDとの差を示せなかった注1、2)。新しい不揮発性メモリーは(1)と(2)を機器の大きな売り物にできる注3)。
新しい不揮発性メモリーの多くは既に製品化されているが、市場に浸透するには時間がかかりそうだ。当初は製造コストが高くならざるを得ないからだ。