英BAE Systems社は、素子のピッチが12μmのマイクロボロメーターを用いた小型軽量で低コストな640×480画素(VGA)の非冷却型遠赤外線カメラモジュールを開発した。体積が2.9cm3、質量は5.1gで、500mW未満の消費電力での駆動が可能だ。水平視野角は40度で、最大60Hzのフレームレートに対応する。2015年4月に米国で開催された防衛関連のセンサー技術の展示会「SPIE Defense, Security, and Sensing(DSS) EXPO」で発表し、このほど本誌に民生展開の計画を明かした。米国防総省の研究機関であるDARPA(defense advanced research projects agency)の仕様に基づいて開発したもので、軍事用途での価格は500米ドル未満(1万個の場合)とする。商用の監視カメラや車載向けのナイトビジョン、モバイル機器などへの展開も視野に入れており、その場合は大量生産による低コスト化で赤外線カメラの価格を50米ドル以下にできるという。