2015年3月期の売上高営業利益率が40%を上回ったファナック。同社の高収益を支える1つの要素が、山梨県忍野村の本社地区などにある工場の徹底した自動化だ。1980年代から鋳物部品などの機械加工の自動化に取り組んできたが、ここ数年は、多関節ロボットの組立工程の自動化に力を入れている。ファナックの製造部門を統括する同社副社長の山口賢治氏は「2015年秋には、ロボットの組立工数の約9割を自動化できるメドがついている」と話す。
ロボットでロボットを組み立てる
ファナックが組立工程の自動化率9割を実現しようとしているのは、6軸の垂直多関節ロボット「FANUC Robot R-2000iC」シリーズだ(図1)*1。同社のロボットの生産台数は直近で月に約4000台で、R-2000iCはその半分近くを占める「売れ筋」のロボットである*2。