米Google社が完全自動運転車の開発を急ピッチで進めている。最短で2017年の実用化という野心的なロードマップを掲げる同社で、自動運転車の開発責任者を務めているのがChris Urmson氏(Self-Driving Car,Director)だ。同氏は2015年1月に米国で自動運転車の取り組みを詳細に講演し、記者会見と囲み取材にも応じた注1)。Urmson氏の発言から、自動運転車の開発の狙いや、技術の詳細、今後の展開などを探った。

注1)米デトロイトで開催された自動車関連のカンファレンス「Automotive News World Congress」で2015年1月14日に講演した。

本誌(以下同) Google社が自動運転車を開発していることを初めて公表したのは2010年10月だった。自動運転車を開発する目的はどこにあるのか。

Ur mson氏(以下同) 我々は運転という無駄な時間を過ごしている。今後、地球規模で人口が増えることを考えると、渋滞がますます問題になり、無駄な時間はどんどん増えてしまう。我々はこうした問題を自動運転車で解決したいと考えている。

 例えば子育て世代。運転中は子供に気を掛けなければいけないし、運転よりも子供との会話を楽しみたいはずだ。

 自動運転は視覚障害者にとっても非常に役立つ技術だ。彼らは今、自動車を運転できない。我々のプロジェクトがうまくいけば、彼らに移動する喜びを提供できるはず。これはとてもエキサイティングなことだ。