今、世界のものづくりが大きく変わろうとしている。最新の生産技術や加工技術、生産方式などを導入し、従来にない造り方をする工場が世界で続々と誕生しているからだ。キーワードは「フレキシブル」。生産数量や納期などで顧客の要望に柔軟に対応することこそが、これからの工場に求められている。世界の「スゴい工場」がここにある。
世界のスゴい工場
目次
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「顧客ニーズ」を満たしたい、カギは優れた生産技術
調査テーマ「革新工場」
86.8%─。競争力の向上には「革新工場」が必要という回答が圧倒的だ。ここで革新工場とは、生産技術や加工技術、設備、生産ラインなどにおいて、従来の延長線上にない新しい工夫を施した工場と定義する。ただし、現状で革新工場を有する企業は15.9%にとどまる。革新工場の実現には、優れた生産技術や能力の高い人…日経ものづくり
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世界に広がる革新工場
日経ものづくり
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転換期迎える世界の先端工場、今後は「フレキシブル」を軸に進化へ
新潮流
金型は不要。溶接ロボットもない。プレス機さえも使わない。それでも自動車を生産できる─。現在主流のクルマづくりとは一線を画す自動車工場が米国で誕生しようとしている。米Local Motors社などが2015年の製品化を目指して開発を進めている3Dプリンテッドカー工場だ。日経ものづくり
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数百部品相当分を一発造形
【ここがすごい】3Dプリンターと工作機械1台でクルマを造る
米Local Motors社が、米Oak Ridge国立研究所(ORNL)などと開発している3Dプリンテッドカー「Strati」。2015年2月現在で、既に4台を造形、うち2台は実際に走行可能な電気自動車(EV)だ*1。日経ものづくり
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Ti-Alの造形ノウハウで他の追随許さず
【ここがすごい】世界最大級の金属3Dプリンターの量産工場
イタリア・ミラノ市の郊外Cameriに、金属のAdditive Manufacturing(AM:付加製造)造形装置、いわゆる金属3Dプリンターを駆使して特殊な金属部品などを量産する工場がある。それが2013年12月に稼働を開始しているAvio Aero社のCameri工場だ(図1)。最大60台のA…日経ものづくり
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蛇行レール台車と同時多面切削で実現
【ここがすごい】8種類の混流生産を低コストで
8種類の自動車用エンジンを1つのラインで造り分け、かつ従来と比べて1基当たり30%のコスト削減を実現*1─。これが、ホンダが小型車向けエンジン(スモールエンジン)の「マザー工場」と位置づける、埼玉製作所小川工場の実力だ。日経ものづくり
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10年後を見据えて進化し続ける
【ここがすごい】タブーに挑み精密加工工場に窓設置
YKKの中核事業は、ファスナーやスナップなどのファスニング事業(ファスニング事業本部)、窓や住宅建材などのAP事業(YKK AP)である。そして、これらの各事業をものづくり面で支えるのが、工機技術本部だ。材料や加工技術の開発、生産設備・ラインの開発、金型の開発・製造などを担う。日経ものづくり
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「セル+ロボット」で生産性3割向上
【ここがすごい】変種変量生産でも稼働率90%以上
セル生産にロボットを導入することで、従来のライン生産に比べて生産性を大幅に高めたのが三菱電機名古屋製作所の可児工場だ。「ロボットセル生産システム」(以下、ロボットセル)と呼ぶ。通常、シンプルな設備で構成するセル生産の常識を覆し、「1つのロボットセルには、6台のロボット*1、8台のプログラマブル・ロジ…日経ものづくり
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現地の力を最大限に引き出す
新興国工場の今:ベトナム編
市場が急成長中の新興国は、生産拠点としても大きな注目を集めている。だが、自動化設備や機械の導入コストを吸収できる生産量にはまだ達しておらず、人手に頼る工場を設置するケースも少なくない。ベトナムもそうした傾向が強い新興国の1つだ。ベトナムに工場を構える日本メーカーは、現地の事情を踏まえた工場展開を実施…日経ものづくり