最近、にわかに非ノイマン型コンピューティングの話題が増えてきた。
米Microsoft社や中国Baidu社などが検索エンジンの能力強化を狙って、FPGAを処理エンジンに使った新しい仕組みのコンピューターを利用するようになった。組み込みの分野でも、車載機器では先進運転支援システム(ADAS)などへ、産業機器ではモーター制御などで、マイコンに代えてFPGAを用いる例が登場している。さらに、米IBM社が非ノイマン型の半導体チップ「SyNAPSEチップ」を開発している。同社は、ビッグデータ時代を支えるコグニティブコンピューティングの中核を占めるデバイスと位置付けている。
現在のICTシステムの多くは、ノイマン型コンピューターをベースに作られている。そして、数多くのエンジニアやプログラマーが、ある時はシステム開発者の立場から、ある時はシステムユーザーの立場から、当たり前のようにノイマン型コンピューターと向き合って仕事をしている。今にわかに台頭してきた非ノイマン型コンピューターが、今後どのように発展するのか。仕事の大前提が変わる可能性がある多くのエンジニアは、無関心ではいられない。
今回のSCR大喜利では、こうした一連の動きの先にある半導体業界の変化について考えることを目的とした。各回答者はFPGA関連とニューロチップ関連に分別して議論している(表1)。ここでも同様に、FPGAとニューロチップそれぞれにかかわる動きをまとめ、その後総括したい。