現実を模したCGや自らを取り巻く現実の映像をHMDで視聴する「VR(仮想現実感)」技術が実用段階に入った。その中心にあるのが米国だ。2015年1月には、韓国Samsung Electronics社がVRコンテンツの配信サービスを発表し、米Microsoft社はHMDの試作機を展示。ベンチャー企業によるHMDや入力技術の開発も加速している。
2015年1月に米国で開催された家電業界の世界最大級の展示会「2015 International CES」は、VRの関連技術で大いに沸いた。VRコンテンツを視聴するためのHMDや関連機器の出展が相次ぎ、多くの来場者が詰め掛けた。その象徴と言えるのが、VR用ヘッドマウントディスプレー(HMD)「Oculus Rift」を手掛ける米Oculus VR社のブースだ。来場者が大幅に減るCES最終日でさえも、Oculus Riftの最新版を体験しようという人々で長い列ができた(図1)。