「先生、僕たちは、本当に変わりましたよ」─。研修初日には「意味が分からない研修」とこぼしていたリーダー格の受講生が、1カ月後にそう言った。2014年秋から年末にかけて、大手メーカー3社の幹部候補生15人を集めて実施した「出る杭」を育成する研修、「出る杭研修」でのことである(図1)。
そのときには、既に他の受講生たちからも「今まで、いかに自分が何も考えてこなかったかが分かった」「周囲から、『本質』が口癖になったと言われる」「もっと視野を広げて考えてみたら、と部下に言うようになった」といった声を聞いていた筆者は、感極まって不覚にもしばし言葉に詰まってしまった。やはり、「出る杭」は、育てることができるのだ。