Perspective
目次
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近づく電力小売の完全自由化、需給調整の自動化に挑む
電力の需要量と供給量のバランスが崩れそうな場合に、需要量を減らして解決するデマンドレスポンス(DR)。この自動化に、京セラが注力している。営業している店舗などを使った実証実験では、自動化によって短時間でDRの準備を整えたり、結果を自動で報告したりできることを確かめた。DRの自動化を目指す京セラの狙い…
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LEGO型コンピューター実現へ
ワイヤーもコネクターももういらない(下)
ムーアの法則が終焉を迎えようとする今、多様なチップやボードを組み合わせて大きなシステムを構築するアーキテクチャーが求められている。この実現のために慶応義塾大学 教授の黒田忠広氏が提案するのが近接場結合集積技術である。チップ間を結ぶ従来のワイヤーボンディングやボード間を結ぶコネクターを代替でき、これら…
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Exa級の高性能機を目指し、半導体・冷却・接続を刷新(下)
電力効率の高いスーパーコンピューター、それを支える冷却システムや半導体の設計開発を手掛けるPEZYグループ齊藤氏の寄稿の後半。独自のMIMD型プロセッサーや3次元積層DRAMの詳細と、それらが採用する磁界結合インターフェースについて解説する。いずれはプロセッサー間を接続するスイッチを磁界結合技術で超…
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“脳”の省電力性能を目指して
ワイヤーもコネクターももういらない(上)
増大するリーク電流と発熱の問題により、集積回路のスケーリングは難局を迎えている。半導体の電力効率をいかにして高めていくかが、今後の開発で最大の焦点になりそうだ。中でも消費電力を増やさずにデータ転送を高速化する手段が重要になる。その候補として、慶応義塾大学教授の黒田忠広氏は磁界結合を用いたチップ間接続…
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Exa級の高性能機を目指し、半導体・冷却・接続を刷新(上)
初めて開発したスーパーコンピューターで、世界的な省電力性能ランキング「Green500」の2位を獲得。しかも、採用したプロセッサーや冷却機構は独自に一から開発したもの。複数の技術開発ベンチャーからなるPEZYグループを率いる齊藤元章氏は、矢継ぎ早に鮮やかな成果を上げて業界を驚かせた。大手企業との提携…
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1000分の1秒の画像処理で常識を超えた機械を生む
1000フレーム/秒級の動画をリアルタイムに処理し、系全体を高速に動作させられれば、人や従来システムをはるかにしのぐような性能の機械を生み出せる。そう考え、実際にそうした数々のシステムを世に送り出してきたのが東京大学の石川氏だ。同氏の研究室が取り組む技術の概要と、開発したシステムの一端を紹介してもら…
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今後10年の情報処理アーキテクチャーを探る
IoTの時代には、ネットのクラウド側ではなくエッジ(端)側が重要になる。そう主張するのが、トヨタ自動車と自動運転で共同研究を進めるなど、IoT向けのソフトウエア開発に力を注ぐPreferred Networksである。同社が「エッジヘビーコンピューティング」と呼ぶ次世代の情報処理環境の構想と、そこに…
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電子産業、成熟後の未来 来るべき市場・企業・技術者
今後10年超にわたるエレクトロニクス業界の長期トレンドを予測した書籍『メガトレンド 2015─2024[ICT・エレクトロニクス編]』の著者2人に、これから拡大する市場や、企業・技術者の在り方を寄稿してもらった。現在のエレクトロニクス業界は技術の成熟期に入り、従来のトップダウンで演繹(えんえき)的な…
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ムーアの法則が終わった後のスーパーコンピューターの姿
GPUやSSDなど民生品で利用される汎用の部品をいち早く取り入れることで、構築費用を安価に抑えながら、世界最高峰のスーパーコンピューターに比肩する性能を達成してきた東京工業大学 学術国際情報センターの「TSUBAME」シリーズ。この快挙実現の背後には、今後の技術動向を見通す“読み”の鋭さがある。20…
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脳全体の動作原理を解明へ、汎用人工知能への最短の道
脳の動作を再現するシステムの研究開発が世界中で活発になっている。脳の仕組みを利用することで、さまざまな産業応用が見込めるためだ。日本でも、独自の取り組みがスタートした。脳全体の動作原理を解明することで、人の知性に近い人工知能の実現につなげる動きである。いわゆるディープラーニングを用いたニューラルネッ…