トヨタ自動車が2015年に先進安全技術を相次いで導入する。これまで上級車を中心に設定してきたが、2017年までに小型車を含めてすべての車種に広げる。課題だった低コスト化については、標準化を核にした新しいアーキテクチャー「TNGA」を導入し、他社を上回るコストパフォーマンスを実現する。

 トヨタ自動車は2014年11月、2015年に導入する安全技術などを公開した(表1)。衝突回避に対応した自動ブレーキに使う新センサーや、車車間・路車間通信システム、使い勝手を高めた駐車支援システムなどだ。最も注目されるのが、衝突回避を支援する自動ブレーキシステム「Safety Sense」である。中型車・高級車向けで歩行者や先行車との衝突を避ける「同P」、小型車向けで先行車との衝突を回避する「同C」を用意(表2)。2015年に日米欧で導入を始め、2017年末までにOEM(相手先ブランドによる生産)車や共同開発車を除く、すべての乗用車に設定する。

表1 トヨタが2015年に導入する主な安全・運転支援システム
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表2 自動ブレーキの仕様
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 中型車・高級車向けのシステムは、フロントのエンブレム裏に組み込んだ77GHz帯のミリ波レーダーと、フロントウインドーの室内側に取り付けた単眼カメラで構成する(図1)。いずれもデンソー製である。先行車だけでなく歩行者まで検知して自動ブレーキを作動させる。2015年夏に導入する。

図1 Safety Sense Pの構成
(a)フロントグリルのエンブレム裏に取り付けたミリ波レーダー、(b)ルームミラーの前にある単眼カメラ。
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