2013年8月8日、スマートフォンと充電器をつなぐケーブルのコネクター(充電用コネクター)から異臭が発生し、布団が焦げるという事故が熊本県で発生した。この際、被害者は軽傷(火傷)を負っている。実は、充電器から電力は供給されていたものの、充電用コネクターはスマートフォンには差し込まれていなかった。それにもかかわらず、充電用コネクターは異常発熱したのだ。

 近年、スマートフォンやタブレット端末などの携帯機器の充電用コネクターに起因した過熱や発火といった事故が発生している。

 総務省が2014年6月27日に公表した「平成25年通信利用動向調査」によると、スマートフォンおよびタブレット端末の普及状況(世帯保有状況)は、2010年末には10%未満だったが、2013年末にはスマートフォンが62.6%、タブレット型端末が21.9%になった。

 これに伴い、充電用コネクターによる事故も増えてきている。製品評価技術基盤機構(NITE)によると、2009~2011年度の間はそれぞれ3件、6件、5件と推移していた事故発生件数が、2012年度には16件、2013年度には18件と急増。これはNITEに通知された情報の件数のため、実際の件数はもっと多いはずだ。

* 消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度によって収集された非重大製品事故や被害が発生しなかったヒヤリハット情報を含む。