樹脂にもさまざまな特性を持ったものがあり、複数の樹脂を組み合わせることで1つの部品に複数の特性を持たせることができる。例えば、硬い部品だがはめ合わせに使うツメの部分のみは弾力性が高い部品、あるいは歯車の歯先は耐摩耗性が高くて中心部は高剛性である部品などだ(図1)。これらを実現可能にするのが、ポリプラスチックス(本社東京)が開発した「AKI-Lock」である。

図1●ポリプラスチックスの接合技術「AKI-Lock」の適用例
硬くて強い樹脂と、しゅう動性や耐疲労性、柔軟性などが高い樹脂を組み合わせる用途に向く。
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 典型的な用途は「硬い樹脂と柔軟な樹脂を組み合わせること」(同社研究開発本部テクニカルソリューションセンターグループリーダーの宮下貴之氏)と見込んでいる。パッキンのように気密性を確保したり、部品同士が当たる部分に柔らかい材料をクッションとして配置し、衝撃を吸収したりする機能を持たせられる。人間が持ったり触れたりする部分だけを柔らかな樹脂にして、滑り止めにすることもできる。