担当者から

ロボットは役に立つべきか
 「喜ばせようと努力しますが、今のところ役に立つわけではありません」。ソフトバンクモバイルで「Pepper」の開発を率いる林氏はこう表現しています。「役に立たないロボットで良いのか」を取材先に聞いて回ったところ、「可能性を狭めないためにも役割は不明確な方がいい」「少しは役に立たなければ買ってもらえない」と、やはり賛否両論でした。その中で最もしっくり来たのは、「『家族が仲良くなる』といった、家電の便利さとは違う役立ち方を探していくべき」という意見です。勝手に動くロボットには、家電に感じるのとは違う親しみと怖さを同時に感じます。そんなロボットにどんな役立ち方があるのか。未来が楽しみです。 (竹居)

したたかに変化する台湾の中小企業
 台湾では2014年10月に「Cloud & IOT Taiwan 2014」というイベントが開催されます。台湾経済部の関連団体が主催する、その名の通りクラウドとIoTに関連する技術展示会です。本号の解説記事では、この展示会に参加予定の企業を中心に取材を進めました。彼らのほとんどは売上高が5000万~1億米ドルの中小企業ですが、パソコンや民生機器向けのビジネスで培った技術を生かし、したたかに事業の多角化を進めています。企業規模を感じさせない多角化ぶりが印象的でした。日本は台湾と同様、中小企業の数が多い国です。事業環境の変化に柔軟に対応する台湾の中小企業に、日本は学ぶべきことがありそうです。(中島)