「企業の結婚:いかに離婚を避けるか」

Renault・日産グループCEOのCarlos Ghosn氏(2014年6月開催の日産自動車株主総会)
(写真:山西英二)

 Renault・日産グループCEO(最高経営責任者)のCarlos Ghosn氏は2014年6月、米LinkedIn社のSNSに「企業の結婚:いかに離婚を避けるか」と題する文章を投稿した。提携や合弁、パートナーシップといった企業同士の“結婚”は、成功すれば両社がお互いに学び合うことで効率と質が高まる。ただ現実にはほとんど“離婚”に終わる。文章の中でGhosn氏は、15年間のRenault・日産アライアンスと4年間のドイツDaimler社とのパートナーシップを管理した経験を踏まえ、提携を成功させるためのアドバイスを6点示した。

 (1)広い心で尊重し合って始める、(2)共通点を見いだす、(3)プロジェクトやパフォーマンスに集中、(4)規律を守る、(5)ウィン・ウィンのプロジェクトを追及、(6)ウィン・ルーズのプロジェクトを避ける─である。Ghosn氏は、新しいプロジェクトを検討するたびに聖域やタブーを無くして「すべてを机上に置く」ことが大切だとする。そして最も重要なのは(6)の「ウィン・ルーズのプロジェクトを避ける」ことだとした。片方に利点がないプロジェクトを進めると、最終的に“離婚”するという。「不快な思い出は、良い思い出よりもはるかに記憶に残る」とも記し、ビジネスの場ではこの点を忘れがちだとした。