「漠然とは認識していたが、知財戦略の考え方や重要性をシステマティックかつ体系的に理解できた」─。聴講者からはこんな声が聞かれました。

 本講座は、電子部品や産業機器など幾つもの事例を挙げながら、製品の中核を成す「必須特許」の出願状況を見極め、そこからその製品がコモディティー化する時期を予測する手法と、その時期を踏まえてどう市場を攻めるかという考え方についての講義が主眼です。

 知財戦略が重要ということは分かっていても、それと市場の動向をどう結びつけて考えていいかは分かりにくいもの。その点で、特許の出願状況から製品がコモディティー化する時期を予測し、それに基づいて事業戦略を立てるという講師ら独自の理論に、そういうことかと目から鱗の受講者も多かったようです。

 一昨年に続いて2回目となる今回は、新たに化学製品におけるコモディティー化についての解説が加わりました。化学品は、他産業の製品特許とは異なり製法特許が多い上に多大な設備投資が必要。そのため市場が成熟しても新規参入が難しいという特殊な事情があります。加えて、製法に関わる数値を限定したパラメータ特許などによる必須特許の延命といった要素も。

 実は、これらは加工業にも通じるところがあり、製法特許におけるコモディティー化の考え方や事業戦略の立て方について、受講者からの熱心な質問が相次ぎました。製法を特許として公開すべきか、社内で秘匿すべきか。加工業において知財戦略に頭を悩ませている企業が多いようです。