本誌は自動車メーカー9社の自動ブレーキ搭載車の低中速における車両と歩行者の認識・停止機能を試験して評価した。特に歩行者への停止機能を評価したのは国内で初の試みである。総合結果では、富士重工業とVolvo社のシステムが最高評価の“AAA(トリプルエー)”を獲得した。評価の分かれ目はどこにあったのか。実験データを分析しながらその理由と、各社の設計思想を読み解く。(本誌特別取材班)
特集
ぶつからないクルマ実車試験
富士重・ボルボが最高評価
目次
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Part.1:結果の分かれ目
高評価車はカメラを装着
今回評価したのは、停止車両および歩行者のターゲットに対する低中速域(主に20~50km/h)での衝突回避能力。車両だけではなく歩行者のターゲットを対象にしたため、特に歩行者の認識能力で差が付いた。高い評価を獲得したシステムでは共通してカメラを使っており、歩行者の認識にはカメラが有利。一方、赤外線レー…日経Automotive
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Part.2:減速度を徹底分析
安全思想に二つの考え方
今回の実車試験では、衝突を回避できる速度に加えて、加速度センサーを使って止めるときの減速度を測った。減速度を分析すると、各社がどのような安全思想に基づいてブレーキを動作しているのか分かる。大きく分けて一気に止めるか、警告してから止めるかの二つの考え方がある。前者はスズキ、トヨタ、ホンダ、Volvo社…日経Automotive
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Part.3:センサーの進化
ミリ波レーダーがカメラを猛追
カメラを使ったシステムに差を付けられたミリ波レーダーだが、今後猛烈に追い上げる。2015年後半にはミリ波レーダー単体で歩行者を認識する機能が実用化される。加えてCMOS(相補型金属酸化膜半導体)技術によって、コストは大きく下がるだろう。一方で赤外線レーザーの存在感は今後小さくなりそうで、別の用途に活…日経Automotive