設計者のスキル低下に頭を痛めている設計現場は多い。背景には、開発期間が短くなったこと、流用設計や分業化が進んだこと、3D-CADなどのITツールが普及したことなどがある。かつては新製品開発を通じてOJT(On the Job Training)で時間を掛けて設計スキルを身に付けられたが、製品の基本設計を抜本的に見直す機会が減り、設計スキルを学びにくくなっているのだ。

 この課題に一石を投じようとしているのが、設計コンサルティング会社のXrossVate(本社東京)が提供を始めた機械設計者向けの教育プログラム「ゼロから設計マン」*1。新人から中堅設計者を対象に、数カ月にわたって座学での訓練および実際の製品開発現場での指導を行い、流用設計だけではなく一から製品設計できる設計者の育成を目指す。これまでも設計者向け教育サービスとしては、特定の技術知識などに特化したものはあったが、企画から量産までの開発プロセス全体を見据えて設計力を養うものは「他に類を見ない」(同社)。既に、東証1部上場の中堅自動車部品メーカーで同プログラムの導入が始まっている。

*1 XrossVateは、製造業向けのコンサルティングを行っているO2(本社東京)のグループ会社。