2014年1月9日14時過ぎ、三菱マテリアル四日市工場(三重県四日市市)の多結晶シリコン(Si)の
製造施設で爆発火災事故が発生した。
同施設の水冷熱交換器が、洗浄作業中に突然爆発したのだ。
チャンネルカバーと呼ぶ蓋が吹き飛び5人が死亡、13人が重軽傷を負うという惨事となった。
四日市工場は、同社電子材料事業カンパニーの製造拠点の1つで、半導体Siウエハーの原料として多結晶Siを製造している。爆発があったのは、同工場第一プラントにある高純度多結晶Siの製造工程の第6水素生成設備にある水冷熱交換器。作業員らが同交換器を解体・洗浄していた際の事故だった。
水冷熱交換器は、直径900mm、長さ約6mのステンレス鋼製の円筒の中に、外径34mm、長さ4mの293本のチューブ(伝熱管)を通した構造をしている(図2)。円筒の両端には質量200kgほどのドーム状のチャンネルカバーが付いており、この片側を外したところ、突然爆発し火災が起こった。事故調査の中間報告によると、隣接する建屋だけでなく発生場所から20~30m離れた建物の窓ガラスが爆風で破損しており、その威力は、トリニトロトルエン(TNT)に換算して最大7kgに相当すると推定された1)。