機器間や機器内のワイヤレス化に向けて要素技術の開発が進んでいる。ミリ波や磁界結合による無線化は実用間近の段階まで来ている。100Gビット/秒のデータ伝送を目指したテラヘルツ波による無線通信の研究も始まった。

 機器間や機器内の部品を数G~数十Gビット/ 秒の超高速近距離無線で接続する「配線レス」化に向けて、要素技術の開発も着々と進んでいる。その中でも、実用化が間近に迫っているのがミリ波の技術である。

 2014年中にWi-Fi AllianceによるWiGigの運用性認証プログラムが始まり、半導体デバイス各社が60GHz帯を利用して通信を行うIEEE802.11ad/WiGig対応の製品を出す見込みだ。こうしたデバイスを活用すれば、60GHz帯による機器間・機器内通信システムを低コストで構築できる。機器間・機器内通信はポイントツーポイント(P2P)のデータ伝送なので、複数の端末に通信パケットを振り分ける無線LANのような制御を必要としない。IEEE802.11adの物理層だけを利用して、MAC層を含めた上位の制御プロトコルにはP2P通信に特化した簡易なものを実装するという選択肢もありそうだ。