一風変わった電子機器を手掛けることで世界23カ国に顧客を持つベンチャー企業がCerevo(本社東京)である。社員数が13人の同社が手掛けるのは主に、デジタルカメラやビデオカメラ、スマートフォン(スマホ)などにインターネットやケーブルで接続して使う電子機器(デバイス)。接続するだけで、「新しい体験を誰でも簡単に味わえる」(同社代表取締役の岩佐琢磨氏)ことを売りにする。

 同社が2014年3月末に発売予定の電源タップ「OTTO」もその1つだ〔図1(a)〕。同製品のケースは平たい大豆のような形をしており、ケースの蓋を開けると中から電源タップが現れる〔同(b)〕。タップには8つの差込口があり、周辺に程よいスペースが確保されているので大きめのACアダプターもそこにすっぽりと収まる。

図1●Cerevoは「あったらいいな」を形にすることを目指す
Cerevoが開発する製品の特徴は、インターネットでスマートフォン(スマホ)などと連動できること。2014年3月末に発売予定の電源タップ「OTTO」もその1つ(a)。8つの差込口にさまざまな家電の電源を接続しておくだけで(b)、スマホでオンオフ/調光などの遠隔操作をできるようにした(c)
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 ただし、OTTOが本領を発揮するのは、これ以外の機能にある。具体的には、自宅にある家電の電源を同製品に接続しておくだけで、外出先からスマホの画面を操作することにより、家電をオンオフしたり、照明なら調光したりできることだ。同社はその操作画面となるスマホ向けアプリケーション(アプリ)も開発している〔同(c)〕。

 他にも同社は、既存のUSBキーボードをiPhoneやiPadなどで使えるようにするデバイスや、デジタルカメラにケーブルでつなぐだけでカメラのシャッターをスマホでリモート操作できるようになる機器なども開発している。いずれの製品にも共通するのは、従来は高度な専門知識を必要としていた操作を誰でも簡単に行えるようにしている点だ。