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目次
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中国で始まる、EVの世界前哨戦
2018年に中国で導入が始まる「NEV(New Energy Vehicle)規制」。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などの生産・輸入を一定の割合で義務付けるものだ。各社は対応を急ぐが、攻勢をかける欧州と中国の自動車メーカーに対して、日本勢は押され気味に映る。
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クルマにAR、2017年に実用化
経路案内の矢印や人の飛び出しを警告するイラストなどを、車両前方の風景に重ねて表示するAR(拡張現実感)―。カメラの普及を追い風に、2017年にクルマで採用が始まる。運転中の安全性や利便性を高められるからだ。自動運転技術の進化に合わせて、2020年ごろから一気に採用が広がりそうだ。開発競争の最前線を報…
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歩行者対応の自動ブレーキ、軽自動車へ
歩行者対応の自動緊急ブレーキが軽自動車にも浸透してきた。ダイハツ工業は小型ステレオカメラを、スズキは単眼カメラとレーザーレーダーを一体にしたユニットを新たに採用した。その背景にはセンサーシステムの低コスト化がある。ミリ波レーダーだけで歩行者を検知できる製品も登場。センサーシステムの主導権争いが激しく…
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中国モビリティーシェアの覇者 滴滴が世界を席巻か
急拡大するシェアエコノミー。「所有」から「利用」への価値の転換を促し、自動車産業の根幹を揺さぶる。最も注目を集めるのは、ネット配車サービスの米Uber Technologies社だろう。だが、同社を上回る勢いで急成長する企業がある。中国・滴滴出行(Didi Chuxing)だ。“シェアサービス大国”…
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北米市場でセダン復権に挑む
北米市場でセダン販売の苦戦が続く。巻き返し策としてトヨタ自動車は、新型「カムリ」を2017年夏に発売する。TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)をパワートレーンに適用し、動力性能と低燃費を両立させた。ドイツBMW社などの海外勢も新型セダンの投入を計画する。北米市場でセダンは復権でき…
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小型HEVは差別化重視へ
e-POWERが風穴開ける
小型ハイブリッド車(HEV)の競争が激化している。台風の目になっているのは、日産自動車の「ノートe-POWER」。電気自動車(EV)のようなリニアで力強い加速力を武器に、消費者を魅了している。HEVは、もはやHEVのエンブレムを付けているだけでは通用しない。分かりやすく明確な差が求められている。
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自動運転の主役争い激化
「CES 2017」報告
2017年1月に開催されたエレクトロニクスの総合展示会「CES 2017」(米国・ラスベガス)。自動運転に必須の高精度地図大手のオランダHERE社を軸にした合従連衡に関わる発表が相次いだ。注目を集めた自動運転関連の技術動向を報告する。
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200万円でも静かなクルマ
「静かなクルマ」と言えば、500万円を超えるような高級車の代名詞であり特権だった。だが、ここへ来て200万円台の普及価格帯の車両で静粛性が大きく向上し始めている。透けて見える自動車メーカーの思惑は、電動化時代への備え。静粛性向上に関する“技術の棚”の充実を図れれば、電動車両に…
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“改善魂”をつなげれば改革になる
トヨタ自動車社長 豊田章男氏
ものづくりの全面的な改革を加速するトヨタ自動車社長の豊田章男氏。注目を集める「カンパニー制の導入」「TNGA(Toyota New Global Architecture)戦略」「電気自動車(EV)開発の加速」に加えて、「工場のあるべき姿」「品質向上」などに関して、トップが自らの考えを熱く語った。
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electronica 2016 報告
ADAS技術を積み上げて、自動運転を目指す
業用エレクトロニクスの国際展示会「electronica 2016」が、2016年11月8~11日にドイツ・ミュンヘンの「Messe München」で開催された。同展示会は2年に1回の開催で、前回に比べて出展機関数は前回比6.9%増の2913に達した。今年目立ったADAS(高度運転支援システム)を…
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高精度地図、2018年に実用化へ
自動運転に不可欠とされる高精度地図をめぐる競争が激化している。先行する欧米勢を捕捉するべく、日本はオールジャパン体制で挑む。まずは国内の主要高速道路を2018年までに網羅する計画だ。ただし、事業の採算性やプローブ情報の扱いなど不透明な部分も少なくない。
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小型車での本命狙う、1.0Lターボエンジン
排気量1.0L級のターボエンジンを小型車に搭載する動きが加速している。その狙いは広い室内空間を確保しながら、動力性能と燃費を両立させることにある。先行する欧州以外でも搭載車の比率が高まりそうだ。一方、新たな燃費測定方法への対応では、実走行燃費が低下する弱点を克服する必要がある。1.0Lのターボエンジ…
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Teslaが見せた、ハック対応
激変するクルマの開発プロセスと構造
世界の自動車メーカーが直面するセキュリティー対策。クルマの開発プロセスや構成を、大きく変えねばならない。ハッカーと良好な関係を築く新しい取り組みもいる。自動運転車の開発に合わせて、ソフトウエアの遠隔更新機能や侵入検知システムの採用を求める動きが出てきた。自動車開発に変革を迫るセキュリティー開発の最新…
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小型車にも電動駐車ブレーキ
これまで中型車や上級セダンに搭載されてきた電動駐車ブレーキ(EPB)。2018年ごろから、軽自動車や小型車などにも搭載が広がる。“自動運転”や自動ブレーキへの対応、利便性の向上などメリットは多い。ここにきて最大の課題である低コスト化への見通しがついた。
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これが欧州のRDE試験だ
実際に車両を路上で走行させて排ガスを計測するRDE(Real Driving Emissions)試験。乗用車などの軽量車を対象とした欧州でのその導入が2017年9月(新規認証取得車)と近づいてきている。RDE試験とは何か、既存の試験室内での排ガス試験とどのような違いがあるのか、専門家に解説してもら…
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自動運転、サービスが決め手に
自動車未来サミット/モビリティーNEXT 2016
自動車メーカーを頂点とした産業構造が変わる可能性が出てきた。ソフトバンクグループや人工知能(AI)開発に取り組む企業など、新興企業や異業種が自動運転市場に向けて攻勢を強める。追われる自動車メーカーは走る楽しみに活路を求める。自動車セミナー「自動車未来サミット/モビリティーNEXT 2016」で、20…
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運転支援システム、”過信“を防げ
渋滞時でも先行車に追従して走行できる新しい運転支援システムに注目が集まっている。既存の機能と組み合わせることで、全速度域でアクセル・ブレーキ・ステアリングの操作支援が可能になる。ただ、依然として運転の責任は運転者にある。過信をうまく抑えることこそが、より高度な自動運転システムへの近道だ。
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小型車にもアルミフード
アルミニウム(Al)合金の外板への使用は中大型車が中心だったが、低コストで造れる技術開発が進み、小型車への本格的な適用が視野に入ってきた。2020年にも先陣を切るのがフロントフードである。板厚を薄くするといった工夫で、従来のAl合金製フードより製造コストを10~20%減らせる。低燃費への要求が厳しい…
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多段化するAT、10速も登場
燃費規制が強化される中、大型車の「燃費」と「走り」を両立させるためにステップATの多段化が進んでいる。10速ATを搭載したクルマも間もなく登場する。ステップATの多段化の動向や、小型化に向けた各社の取り組みを探った。
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エンジン樹脂化、本命のブロックへ
車両の軽量化が進む中、最後の砦だったエンジンの樹脂化が見えてきた。耐熱性やコストの問題から金属からの置き換えが難しかった樹脂を、エンジン本体部品に適用する動きがある。2020年代の実用化を目指す。後押しするのは、シミュレーション技術や材料開発の発展だ。アルミに代わる最強の軽量化手段と目される樹脂化の…