ビジネスの世界で頻出するビジネス用語「マーケティング」。エンジニアの皆さんも、ニュースや新聞で、あるいは本屋さん、もしくは会社の会議で、このマーケティングという単語にはほぼ毎日触れているかと思います。マーケティングは、ビジネスの世界で非常に重要なキーワードなのです。

「技術」を「商品・サービス」に進化させる

 さて、エンジニアである皆さんにとって、マーケティングは「マーケティング部門が行う市場調査みたいなこと」くらいの捉え方で、自分たちには直接関係のないことと考えているかもしれません。でも、例えば技術経営を学ぶMOT(management of technology)では、マーケティングは必ず中核科目として位置付けられています。なぜなら、マーケティングとは「売れる仕組みづくり」のことだからです。

 どんなに素晴らしい技術シーズがあったとしても、お客様に受け入れられる商品・サービスでなければ売れないのは当たり前ですよね。もっと言えば「技術」そのものは売りものになりません。売れるのは「商品・サービス」なのです。基礎研究に特化して特許などの知的財産を収入源とする研究機関は別かもしれませんが、民間企業のほとんどは技術を商品・サービスに進化させなければ生き残れません。エンジニアであろうと営業であろうと、お客様を喜ばせる商品・サービスを生み出す上でマーケティングのセンスは必須なのです。

 エンジニアがマーケティングに強くなれば、マーケティング部門との連携も強くなり、魅力ある商品・サービスづくりはいっそう加速するはず。エンジニアとしての価値も高まります。この連載でマーケティングセンスを身に付け「マーケティングセンスのあるエンジニア」としてステップアップをしていきましょう。