<故障検出機能>
 一般にリードスイッチタイプの非接触安全スイッチは、安全リレーモジュールと呼ばれるコントローラと組み合わせて使用します。その主な理由は、リードスイッチの接点が直接開路動作型ではないので、溶着(故障)する恐れがあることです。故障を検出するためには、コントローラがセンサから2回路分の信号を受け取った上で照合し、正常ではない情報の組み合わせを受け取った場合には出力を停止するようなモニタリング機能が必要となります。その考え方の概略を図4に示します。この図では、2つある回路のうち1つ(リードスイッチB)が溶着した場合を想定しています。

 直接開路動作型 スイッチ本体とアクチュエータがメカニカルにかみ合うタイプのスイッチにおいて、アクチュエータを抜いた(ボタンを押した)ときの操作力が直接NC接点に作用して接点を強制的に開き、電流を遮断する構造のもの。
図4●故障検出のモニタリング(リードスイッチBが溶着した場合)
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<特長と用途>
 前述の通り、非接触安全スイッチは摩耗粉が生じません。そのため、清浄な製造環境が要求される半導体やその応用製品を製造するクリーンルーム内設備のインターロック用途に向いています。

 さらに、表面に凹凸が少ない構造とすることでスイッチ本体やアクチュエータに異物が付着・堆積しにくくなるので、装置の丸洗いが不可欠な食品製造装置のインターロックにも使用されます。一般に、非接触安全スイッチはメカ式安全スイッチよりもかなり小さいこともあり、図5に示すように回転半径の小さい窓にも配置しやすくなります。かみ合わせを考慮する必要がないので、取り付け精度についても安全スイッチに比べて余裕を持たせられます。

図5●非接触安全スイッチを小窓に取り付けた例

<使用上の注意点>
 アクチュエータに磁石を使用しているので、近くに他の磁石や強磁性体(鋼板)などがある場合は、それらの影響を受けない距離に設置しなければなりません。また、本体にセンサを取り付けるねじについても、強磁性体の素材は避ける必要があります。周囲に鉄粉など強磁性体の金属粉が存在する環境では、非接触安全スイッチを使用することはできません。

 さらに、非接触安全スイッチはその構造上、スイッチ自体にロック機構がありません。扉をロックする必要がある場合、シリンダなどロック機構を別途設けます。