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HOMEエレクトロニクスアナログ製品企画から量産開始まで全16工程の手順と勘所 > 第4回:(4)各ブロックの設計(上)

製品企画から量産開始まで全16工程の手順と勘所

第4回:(4)各ブロックの設計(上)

  • 根日屋 英之=アンプレット
  • 2012/05/21 00:00
  • 1/2ページ

④ 各ブロックを設計し使用部品を選択する

 レベル配分や機器劣化配分を行い(③),暫定的に定めた仕様を基に,各回路の担当者は設計を始める。この設計では,回路に使用する部品選定が,その製品価値を決める重要な要因となる。そこで以下に,部品選定についてポイントを解説する。

(1)認定部品の利用

 製品の「原価低減」と「品質確保(企業の信頼)」のため,設計時に使用できる認定部品を定めている企業が多い。例えば,900MHz帯小信号増幅用のトランジスタは2SC3356,低周波小信号増幅用のオペアンプにはNJM2904Vなどというように,周波数や扱う電力に応じて使用できる認定部品のリストを作成している。基本的には,そのリストに記載された部品を設計に採用する。企業によっては,モジュールに関しても部品と同様に認定モジュール・リストを作成している。

 認定部品は,その企業の品質を管理する部署で,数カ月かけて信頼性データを取得してから認定部品リストにリストアップする。これが,日本の製品の信頼性が高く,性能が安定している大きな理由と思われる。しかし,設計をしていると,認定部品リストに載っていない部品を採用したいときも出てくる。そのときは品質を管理する部署と協議し,特例として部品メーカーから信頼性データを入手したり,自社で信頼性試験を行ったりする。

 また,認定部品はできるだけ種類は増やさずに,機器メーカーとして部品の共通化を行って,大量購入することで原価を低減する。ただし,部品が古くなって信頼性が落ちるのを避けるため,機器メーカーの購買課では,例えば購入後2年以内に使いきるように部品の注文量を見極めて購入する。

(2)部品の情報収集

 認定部品リストにない部品を使用したいときは,その部品情報や価格などを部品メーカーや部品商社などから得なければならない。しかし,一部の部品メーカーや部品商社は,大量に部品を購入する大企業にのみ目が向いており,中小企業や小さな設計会社からの問い合わせには対応してくれないところもある。

 また,対応はしてくれても,設計しているワイヤレス製品が,どの機器メーカーでいつごろから何台くらい量産されるのか,情報開示を求めてくる部品メーカーや部品商社もある。機器メーカーにとっては企業秘密であるので,その情報は注意深く扱わねばならない。例えば,設計委託元の機器メーカーの理解を得て,その機器メーカー経由で情報を部品メーカーや部品商社に与えるなどして,この問題を解決する。このように試作用の部品購入にも非常に苦労することがあるが,最近はインターネット経由で通販商社から購入できるようになっており,入手可能な部品の種類も多岐にわたるようになった。価格が少し割高であっても通販商社からは情報提供が求められないので,中小企業や小さな設計会社には非常に助かる存在になった。

 一方,部品メーカーや部品商社が,そのような情報を求めてくる理由も理解できる。ワイヤレス製品には,汎用ではなく,その製品の通信方式に特化した部品を使用することが多い。部品メーカーは,特化した部品であるが故に,できるだけ正確に市場に投入される部品の数量を把握し,余剰在庫をあまり持たないように部品を生産しているようである。そのような部品は,部品メーカーでの在庫も限られているので,機器メーカーは大量に購入したい場合は事前に購入数量の情報を部品メーカーに知らせ,安定な部品供給を確保することが場合によっては必要である。

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