アナログ エレクトロニクスを支える基盤技術
 

【前編】:オペアンプの過去/現在/未来使いこなすための基礎知識

藤森 弘己=アナログ・デバイセズ
2011/07/19 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2010年4月5日号 、 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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オペアンプで現在主流となっているモノリシック型は,半導体プロセス技術とプロセス以外の 製造技術,回路技術,パッケージング技術の四つの技術によって支えられている。前編では,このうち半導体プロセス技術とプロセス以外の製造技術に焦点を当てる。

 現在,さまざまな電子機器に搭載されているオペアンプ(演算増幅器)は,半導体製造技術の進歩とともにその性能が改善されてきた(図1)。

図1 1940~1970年にかけてのオペアンプの進化
1940年代に真空管によるオペアンプが登場して以来,約70年が経過した。1960年代,1970年代と,進化を続けている。1970年代以降,モノリシック型オペアンプが主流となった。
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 オペアンプは真空管の時代,今からおよそ70年前に誕生し,後に発明されたトランジスタによって劇的に進化した。その後も半導体プロセスの進歩とともに,さまざまな種類のオペアンプが実現されてきた。現在,オペアンプの主流となっているのは,1チップでオペアンプを実現する「モノリシック型」である。モノリシック型のオペアンプは,性能グレードを含めて分類すると,数百から数千種類の製品が販売されている。

 3端子という単純な電子部品で,これほど多種多様な製品が供給されている素子はない。言い換えれば,誕生から70年たっても,理想的なオペアンプはまだないということである。

 モノリシック型オペアンプは,汎用型,高精度型,高速型,低消費電力型,低雑音型に大別できる。中には,極めて特殊な用途に向けた製品がある注1)

注1) 例えば,「カミオカンデ」といった光電子増倍管に向けたモノリシック型オペアンプでは,バイアス電流が数fAという非常に微小な電流を扱うものもある。

図2 四つの技術でオペアンプは進化
オペアンプの進化を支えてきた技術は,大別して4 種類ある。半導体プロセス技術,半導体プロセス技術を除くその他の製造技術,回路設計技術,パッケージング技術,である。
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 モノリシック型の電気特性を大きく左右するのは,(i)半導体プロセス技術,(ii)プロセス以外の製造技術,(iii)回路技術,(iv)パッケージング技術の4種類の技術である(図2)。今回の前編では,(i)の半導体プロセスの変遷と,(ii)のその他の製造技術に焦点を当てる。それ以降は,次回の後編で解説する。 

9種類の半導体プロセス

 4種類の技術のうち,中心となるのが(i)の半導体プロセスである。一般的なモノリシック型オペアンプに向けた半導体プロセスは大別すると,「CMOS技術」「バイポーラ技術」,両技術を組み合わせた「バイポーラCMOS技術」の3種類となる。現在では,製造コストが安価という利点から,汎用型を中心にCMOS技術が普及している。

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