代表取締役社長の田中 仁氏(写真:加藤 康)
代表取締役社長の田中 仁氏(写真:加藤 康)
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R&Dマネジャーの井上 一鷹氏(写真:加藤 康)
R&Dマネジャーの井上 一鷹氏(写真:加藤 康)
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価格競争で頭打ちになる恐れのある国内メガネ市場。ジェイアイエヌが同市場に参入してからの12年間で市場規模は6000億円から4000億円に縮小したという。視力矯正が不要な人にもメガネを売って同社だけで1兆円の売り上げをつくろうと取り組んだのが「機能性アイウエア」の開発である(関連記事1関連記事2)。ユーザーの疲れや眠気が分かる「JINS MEME」は、その戦略商品だ。同社に事業戦略を同社代表取締役社長の田中仁氏と同社R&D室マネジャーの井上一鷹氏に聞いた。

「機能性アイウエア」で1兆円を売り上げるとは野心的に見える。

 平均単価3万円で8000万人に売って2兆4000億円、6000万人でも1兆円を超える。視力矯正以外の機能をメガネに盛り込めば市場はまだまだ拡大する。「服を着ていない人は野蛮人。メガネをかけない人も野蛮人」。そんなことも言っているくらいだ。

メガネとメガネメーカーは、将来どうなるのか。

 黒電話機は携帯電話機になり、かつて花札を売っていた任天堂はゲーム機メーカーになった。メガネは今の姿になった700年前から変わっていない。我々は、メガネの歴史を変えようとしている。メガネを売っている会社が、将来に別の姿に変わってもおかしくはない。

エレクトロニクスメーカーになるのか。

 メガネ会社のほとんどはブランドビジネス。モノを仕入れて販売するのが基本的な姿だ。レンズやフレームはメーカーから調達して販売するので付加価値がなくなり、価格競争に陥る。しかし、我々は研究開発をして、製造開発から販売まで一気通貫の事業をしている。最近になって大手流通業が、研究開発から小売りまで手掛けるようになっている。結局のところ、顧客ニーズをつかむ必要性を考えれば、我々もそのような方向に向かわざるを得ないのではないか。