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ソニーの医療への取り組みの“源流”、井深大氏の遺志を継ぐ

高島 充氏 エム・アイ・ラボ 代表取締役社長

2012/10/30 12:30
小谷 卓也=日経デジタルヘルス
出典: 日経エレクトロニクス,2012年10月29日号 ,pp.12-13 (記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

メディカルを将来のコア事業にする方針を掲げ、2012年9月末にはオリンパスとの資本・業務提携を発表したソニー。しかし、同社の医療への取り組みは今になって始まったわけではない。

ソニー創業の地である、東京都品川区の御殿山地区。本社は2007年に品川駅近くに移転したものの、ここには今でも同社の関連オフィスが立ち並ぶ。その一角に、ソニーの医療への取り組みの“源流”とも言える会社がある。ソニーの創業者・井深大氏の遺志を継ぐ、エム・アイ・ラボだ。同社 代表取締役社長の高島充氏に話を聞いた。

(聞き手は小谷 卓也)


宮田喜一郎
エム・アイ・ラボの高島充氏。背景の写真は、井深大氏。

 我々の会社はもともと、ソニー本体の研究所の一つでした。具体的には、1989年に開設された脈診研究所です(1993年に生命情報研究所に改名)。当時の研究所長は井深大氏。「医療をやりたい」という同氏の強い思いを受けて設立されたのです。お気付きのように、現在のエム・アイ・ラボという社名は、井深(I)と大(M)の頭文字から名付けられています。

 当時は、大まかに言えば、社員用の診療所を併設した研究所といったものでした。つまり、ソニー社員の診療データを活用しつつ、医療の研究を進めていくといった感じです。井深大氏自身が不整脈の自覚症状を持っていたこともあり、主に手掛けていたのは、「脈」を中心とした研究です。当時は、一般にあまり知られていなかった「睡眠時無呼吸症候群」を分析する装置なども開発していました。医療従事者に向けて、年に2回ほど研究成果の発表会も開催していたのです。

 井深大氏が亡くなって3年後となる2000年ごろ、私は医療事業部を立ち上げることを会社に提案しました。しかし当時の経営判断は、「プレイステーションで儲かっているのだから、医療に手を広げる必要はない」といったもの。その後も、何度か医療事業を本格的に立ち上げようという取り組みはあったようですが、その皮切りだったと言えるのかもしれません。

西洋医学と東洋医学を融合

 我々は現在も引き続き、「脈」を中心とした研究を進めています。特に関心を持って取り組んでいるのが、西洋医学と東洋医学の融合です。その一つとして、脈波センサで取得したデータを基に、東洋医学の「五行」に相当する指標を分析するシステムを開発しました。

宮田喜一郎
(a)は、エム・アイ・ラボが開発する脈波センサ。同センサで取得したデータを基に、「五行」に相当する指標を分析するシステムを開発した(b)。

 センサ自体も独自技術を活用して開発したものですが、このシステムのポイントは、脈波などのデータを五行の指標に変換するソフトウエアの演算根拠となるデータベースにあります。実は、かつての研究所時代にためていた、ソニー社員の診療データが基になっているのです。今は、このシステムの実用化に向けたパートナーを探している段階です。(談)

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