元トヨタ自動車の上海主席代表が全面サポート

トヨタ自動車で上海主席代表を務めていた東和男氏が日本自動車部品工業団地の運営をサポートすると聞きました。

 その通りです。トヨタ自動車で上海主席代表を務めていた東和男氏が董事長兼総経理を務める「東龍日聯企業管理有限公司」がこの工業団地の運営会社となり、全面的なサポートを行います。これがある意味、この工業団地の最大の特徴とも言えるかもしれません。
  いくら無料のレンタル工場が用意されていたり、人材をサポートできるといっても、ティア3やティア4といった小さな自動車部品メーカーにとって、本当に単独で中国に進出するのは不安があるはずです。

 そこで中国で20年に及ぶキャリアがある元トヨタ自動車の東氏が全面サポートしてくれることは何よりも心強いはずです。中国での商習慣を始め、仕事の進め方も東氏の会社が指導してくれます。部品の納品先も、トヨタ自動車の系列会社に限らず、東氏の会社があらゆるパイプを駆使して面倒を見てくれるので安心です。

 ハードだけではなく、こうしたソフト面での徹底したサポート体制があるからこそ、中小の部品メーカーでも安心してこの工業団地に進出できると思います。

世界一の自動車部品工業団地を目指す

今後は丹陽の自動車部品産業をどのように発展させていく考えですか。

 日本自動車部品工業団地の総面積は1000ムー(66.67万平方メートル)で総投資額は6億ドル(約480億円)に達します。第一期は300ムー(約20万平方メートル)の敷地に、建設面積10万3000平方メートルのレンタル工場を建設する計画です。そのうち5万平方メートルのレンタル工場17棟と共同棟は今年6月に完成しました。

 残りの約5万平方メートルのレンタル工場18棟も8月から着工し、年内には完成する見込みです。第1期は日本自動車部品工業園区(JAPIC)、第2期は日本自動車装備工業園区(JAEIC)を主体としていきます。

 丹陽ではまずは日本のティア3、ティア4の誘致を図りますが、今後はティア1やティア2の進出も期待します。また、この日本自動車部品工業団地を皮切りに、ドイツやアメリカの部品メーカーが進出できるようになればと思います。実は丹陽のローカル企業が一昨年、北米にあるラジエターのアルミ材料の会社を買収しました。その会社のカナダ工場がそのままこの丹陽に移転しました。

 今後は日本に限らず、欧米の企業も進出して、切磋琢磨あるいは協業することで、地元企業も力をつけて、中国ひいては世界の自動車部品の一大拠点に発展できればと思います。

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